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Frankenstein in 2018

    イギリスのSF小説家メアリー・シェリーが「フランケンシュタイン(1818年)」を発表して2018年で200年が経過する今、バイオアートと呼ばれる生命を首題や素材にした芸術の潮流が世界的な隆感を見せはじめている。

    ディムット・ストレーブ
    「Sugababe」2014-

    「フランケンシュタイン」の小説の中で科学者が生物の断片をつなぎ合わせて生み出した怪物は、その後、何百という芸術作品のテーマになってきたが、そこで提起された「創造物による創造主への反乱」や「神に代わり生命を飾り出すことの矛盾」といった問題は、AIや遺伝子組み換え技術が飛躍的に発展する今日、古びるどころか、ますます現代的なものになってきている。

    ティナ・ゴヤンク
    「Pure Human」2016-

    本展では「フランケンシュタイン」で提起された問題のいくつかを今日のものとして再考すべく、バイオテクノロジーや生物を使った芸術潮流「バイオアート」の旗手として注目される国内外のアーティストの作品、1890年に自殺したと言われるゴッホの左耳のDNAを合成して再生するドイツのディムット・ストレーブ、路上のゴミからDNAを抽出し個人の顔を再現するアメリカのデューイ・ハグホーグ、アレキサンダー・マックイーンの皮膚を幹細胞技術で再生しレザージャケットに仕立てるイギリスのティナ・ゴヤンクなど日本初公開となる作品や資料を通して、フランケンシュタインの書問題を今日の芸術の3つの文脈 – 「死者の蘇生」、「人新世における生命」、「生政治」から読み解くことを試みる。

    ヘザー・デューイ=ハグボーグ
    「Stranger Visions」2012-2013

    「2018年のフランケンシュタイン」バイオアートにみる芸術と科学と社会のいま – 展
    期間:2018年9月7日〜10月14日
    会場:EYE OF GURE / GYRE3F
    時間:11:00 – 20:00

    出展作家:
    ディムット・ストレーブ、ティナ・ゴヤンク、ヘザー・デューイ、ハグボーグマーク・ダイオン、BCL、Aki Inomata、本多沙映、平野真美