Naonori Oshima「滲んだ景色」

2011年の初個展以来、友人や都市の風景など身近なものを撮影し発表してきた写真家・大島尚悟。

大島尚悟展 「滲んだ景色」1

カラーと白黒が混在した作品は、ピントが合ったものからブレたものまで、壊れたカメラによって光モレを起こした写真など様々な描写を見せており、身近な光景を通して作家の揺れ動く意識が垣間見られてきた。一方で、絵画作品の制作にも取り組んでおり、自身の写真作品や雑誌の切り抜きに彩色をした作品、またそれらの断片を使ったコラージュ作品として発表。2015年には作品集『濡れた光景』(KULA)を発行。大島は制作に際して「日常のなかで、ふっと湧いてくる不安や焦燥、欲情のようなものと似た感覚がよぎる」と言う。街の景色を大胆な色で覆ったり、風景に脈絡のない眼のモチーフを描くなどと身近な光景を奇異なものへと変貌、人が抑圧しがちな意識を不可解でときにユーモラスな様相で立ち現そうとしているのかもしれない。

大島尚悟展「滲んだ景色」
日程:2017年4月11日 〜 5月7日
時間;12:00 – 20:00(会期中無休)
開場:photographers’ gallery

大島尚悟展 「滲んだ景色」2