VIRGIL ABLOH “PAY PER VIEW” at Kaikai Kiki Gallery

「俺たちは全員、消費という行為によって形作られている」ヴァージル・アブロー

ファッションデザイナー、建築家、クリエイティブ・プロデューサーと様々な顔を持つヴァージル。自身が手がける「OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH」では、日常のシチュエーションを再現演出。天才的仕掛け人/ビジネスマンとして知られるアブローは、2016年のデザインマイアミにおける家具のコレクション、ナイキとのコラボレーションスニーカー「Virgil Abloh x Nike」、そして今年2月にオープンしたガゴシアン・ギャラリー・ロンドンでの村上隆とのコラボレーション展など、幅広い領域において注目を集め、賞賛を浴びている。

以前からファッションや音楽など様々なメディアを通して自身の考えを表現してきたが、今回の個展「“PAY PER VIEW”」では、消費社会、広告およびメディアが、どのように我々の世界の捉え方に影響を与えるのか、という疑問を中心に構成されている。

宣伝や広告が我々の意識をいかに形作っていくのか、その重要性を解き明かす展覧会として、90年代の広告で目立っていたブランドのロゴ配置を基礎とし、アブローは鑑賞者の関心を惹きつけ、彼らに「果たして自分は、本質的には消費行為を通じて形作られているのだろうか」と考えさせるような世界を繰り広げている。ここでいう「消費行為」は、広告とは現代人が編み出し、今なお完璧を目指して改良を重ね、手作りのアルゴリズムである、というイデオロギーに影響を受けている。彼は、アーティストが抽象的に制作を行うのではなく、具体的に自分の意見を持ち、現在進行形で発生している社会問題や世の中の状況に対してコメンタリーを提供していかなければならない時代に我々はいる、と考えている。

本展は、広告がいかにアートと似て独特なやり方でカルチャーがまとうニュアンスを記録し、「アイロニー」を掘り下げ、社会的言説にまつわるヴァージル・アブローの 声を掲げて展示してくれるのか、という点に焦点を合わせるものだ。展示作品において何度も繰り返されるコンセプト は、アブローが手掛けるファッション、アート、音楽、映画、文学、家具といったあらゆる分野にまたがるクリエイションは例外なく、「純粋主義者」と「旅人」の両方に対して訴求力を持つ、という原則に従っている。

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「”PAY PER VIEW”」は、メディアが人類による世界の見方にいかに重大な影響を与えているのかを示す展覧会だ。広告(ビルボードなど)にインスピレーションを得たアブローは、我々が社会によって、いかに全てのものが「完璧」でなければならないと思い込まされているのかを示してみせようとしている。

VIRGIL ABLOH “PAY PER VIEW”
日程:2018年3月16日〜4月1日
場所:Kaikai Kiki Gallery
住所:東京都港区元麻布2-3-30 元麻布クレストビルB1
時間:11:00 – 19:00